もう絶対に君を離さない!!
記憶の中で
俺はそのまま朝まで眠り込んでしまっていたようだ。

実緒は薬が効いているのか、まだ目を覚まさなかった。

昨日のオペ患者の様態だけを教えてもらい安定しているのを確認すると、ほかの先生に担当を任せた。

俺は父さんに連絡し、実緒が落ち着くまで専念できるように許可を取り付けた。

「んっ・・・・。」

しっかりと、実緒の手を握り締めながら笑顔を向ける。

「実緒・・実緒・・」

ゆっくりと瞼が開く・・・。

「目が覚めたかい?気分はどう?」

「春兄・・・。ずっと側にいてくれたの?」

俺は頷くと実緒を抱きしめた。

「ごめん・・・。和也のこと・・・。」

「春兄・・。私ね本当のこと知りたい。思い出したいの。」

「お願い!!うやむやのままにしておきたくないから・・・。」

俺は仕方なく白石先生に連絡を取った。

「すみません。遅くなりました。」

「実緒ちゃん。ここからは多分君にとって、とっても辛い記憶になると思う。」

「それでも、確かめたいかい?それから、どんな内容であっても、春斗先生の言葉を信じられる?」

「そうでなければ、僕はお勧めしない。実緒ちゃんの精神が壊れてしまう可能性が高いからね。」

実緒は即答した。

「お願いします。このままでは、私は前に進むことができないの。」

「分かりました。では、始めましょう。」

俺は以前のように、後ろから実緒を抱きしめる様に座ると・・。

「俺がそばにいるから、和也の分も一緒だから・・・。」そうささやいた。

「実緒ちゃん。目をつむって、体の力を抜いてね。春斗先生にもたれかけてもいいですよ。」

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「和也先生のことを、頭に思い浮かべてください。見えますか?」

「今どこにいますか?見えていることを私に教えてください。」

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