影光 ーmoonlightー
「じゃ、梶山くん好きな人教えてよ」
「え?は?」
「きーさんじゃないでしょ。その感じだと」
してやったという顔をし俺の返答を待つ。
「さぁ、誰だ!!」
「じゃ、先輩俺に質問してください。
いつもお世話になっているので。
あ、名前に関係するものは駄目です」
と、笑いながら話すと
先輩はきょとんとしている。
ん?なんか変なこと言ったか?
「久しぶりに笑ったね」
「…っ!!」
「なんか、思い詰めてるみたいだったから
うちのせいかなって思って」
寂し気に笑う先輩を見て溜息が出る。
「悪いと思ってるなら
もう少し反省の色見せたらどうですか」
「やだー」
「…
もういいです。質問してください」
自由人すぎる。
「うん。分かったー。
じゃあね…
クラス一緒?」
「違います」
「学年は?」
「違います」
「じゃあ、2、3年生かー。
その人の学年は?」
「2年生です」
「えっまじ!?
梶山くんの好きな人って掴めん…
まーいーや」
いいのかい。
「クラスは?」
「2組です」
「その人の部活は文化部?運動…」
「文化部です」
「答えるの早いよw」
「早くしてください」
「んー。じゃあね
どの部活?」
「楽器を吹く部活です」
「楽器…え?吹部!?
だr…げほんげほん」
「名前に関する質問したら
即やめますからね」
「わ、分かってるよ。えっと…
その人は金管楽器の人?それとも木管?」
「木管です」
「え!?いっぱいいるじゃん!!
その人吹いてる楽器の色は?」
「黒です」
「オーボエ?クラ?」
「クラです」
「やば、それこそいっぱいいるじゃん」
「ほらほら早く当ててくださいよ」
「その人はファースト?セカンド?」
「そういうの、ないです」
「えー」
ムーっと言って先輩は後ろに倒れ込んだ。
「なんですか、その声」
「二人しかいないじゃん」
「案外違うかもしれませんよ。」
「えー、今更それー!?」