影光 ーmoonlightー
私にとって「人」っていうのは








『最悪な程に汚れてて手段を選ばない』









そういう動物だった。





私にとってはそういう経験しか

したことないから。




死にたいなんて、そんなの、



いつも思ってる。





励ましてもらっても




「どうせ見せかけなんだろうな」って




信じられない。






今、隣にいる人が



自分を陥れようとしていたら?






自分の家族が



私を自殺に追い込もうとしてたら?





馬鹿馬鹿しい。







普通の人はそう言う。





でも私は違う。





蜘蛛の巣に引っかかった虫のように




何一つ動けずにいる。





死にたくて、でも死ねない。





手頃に痛くない方法で死にたい。





ギロチンの痛みは一瞬とか、




そういうのばっかりパソコンで調べたりして





死ねたらどんなに楽なことか、と



四六時中考えている。







好きで女に生まれてきたわけじゃなかった。





好きでこの世界に阻まれたかったわけじゃなかった。
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