care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~



「ありがとう。本当に怖かったから
 助かった。仕事忙しいみたいね」




私は彼にお辞儀した。
でも笑顔にはなれない。



「いや、たまたま通りかかっただけだよ。
 うん、そうなの。俺、超忙しいの。」 



「なに?優しいのかウザいのか
 わかんない」




なんだかおかしくて自然と笑顔が
出てしまう私。


男の前で笑うなんて久しぶりすぎて
凄くびっくりした。



「まあ俺が忙しい方が暁にとっては
 良いでしょ?これからも学校
 休むつもりだから喜びなよ。」




ほんと変な男。


でもそんな男と今、自然に
会話してる自分の方がよっぽど変だった。




「別にそこまでは言ってないじゃない。
 私に気を使って学校来ないとか
 絶対やめて。」



「うわ。びっくり。いいの?
 明日から来ちゃうよ。」



…もしかして、私のために
わざと今まで学校休んでたの?



「あ!でも仕事優先ね!!」



そんなわけないじゃない。


この男も所詮好きな子の前では
他の男と同じような感じになるわよ




あの男みたいにね。


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