care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~


「離してって言ってるでしょ?!
 もう私にとってあんたは他の男と
 変わらない最低な男なんだから」



私の瞳からは涙が零れ
空の腕の上に落ちた。

空はその涙を見つめて口を開く。


「最初は美咲の事、面白い女と
 思って近づいた。でも思った以上に
 美咲スッゴく純粋で途中から俺
 絶対美咲の事守るって心の中で決めてた
 …なのに、今俺が最低なせいで
 美咲を傷つけてる」



これがほんとうなのか。

私は少し疑って、でも信じたい気持ちも
確かにまだあって、じっと空を見つめてた




「もう俺の事、信じれないんだったら
 今すぐ逃げていいよ。」



空が私から腕を離し、
切ない表情で見つめてくる。





信じたら信じた分だけ
裏切られた時の反動が大きくて



もうあんな思いしたくない。



そう思ってたのに。




そんな表情されたら…




「…ラストチャンスだから。」




信じてしまうに決まってるじゃない。


< 27 / 157 >

この作品をシェア

pagetop