care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~
私は教室に戻らずに屋上に上がった。
ここに来るのは久しぶり。
遠くから吹く暖かい風が
私の髪を揺らした。
「う…!!」
私は今更襲ってきた痛みに体を押さえ
思わず顔を歪め、うずくまる。
でも痛いのは体だけじゃなかった。
私は空の人生を
変えてしまったかもしれない。
学校のこれからの生活も。
芸能人としてのこれからの活動も。
空が私に関わってなかったら
こんな事にはならなかった。
私のせいで空が…
私はパッと目を見開いて
真っ直ぐ立ち上がる。
決めた。
もう空に関わるのはやめよう。