care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~





『私、アイドルの空くんが好きです!!』









いつもの昼休憩、

私は目撃してしまった。


空が告白されてるところを。





女の子はまるで私に告白してる男たちの
ように顔を真っ赤に染めてもじもじしてる





人を好きになったら男も女も関係なく
あんな風になるんだ…





「ごめんね。アイドルの俺が好きなら
 これからもファンとして応援して
 ほしい。告白してくれてありがと。」





空は最後までアイドルスマイルだった。




空が私に向けたアイドルスマイルは
席替えのみ。





空はきっと…




「うわ、盗み聞きかよ~」



「わ!!空!?…ち、ちがうよ!
 たまたま見かけてっ」




私の目の前には気づいたら空がいた。





いきなり現れるから
凄くどきどきしちゃった…




「ふーん?ま、いいや。
 あ、ねえドラマ見てくれた?」




空からドラマという文字を聞いた瞬間
昨日の空と女優さんが抱き合ってるシーン
が頭にフラッシュバックする。





ズキ。





「み、見たよ!いや、大変だね役者って!
 好きでもない人と抱き合っちゃってさ」




ほんとはやだ。


空が他の女の人と抱き合ってるなんて…



それもドラマだと分かっていても
イヤなの。




こんな事、ファンが思うなんて
いけないこと??





「仕方ないよ。仕事だし。」





空は涼しい顔でそういうけど
私には分からない。





「じゃあドラマで何言われても
 空は従うの??」




「当たり前じゃん。演じるのが
 仕事だから。ってどうしたの?
 美咲。なんか変だよ。」





変なのはどっち??






「好きでもない子とそうゆうこと
 できる空、最低だよ。」





私とこないだ抱き合ったのはなに?


でもあれは役じゃないよね??



じゃあなんなの?ファンサービス??




「わかってよ、美咲。」



「わかんない。私をあの時、抱きしめた
 空の気持ちなんて分かんないよ。」




あれをファンサービスとか言ったら
許さないから。






…ってあれ?




私、なんでこんなにムキになってんの。




別にファンサービスでいいじゃんか。





…なんで。








「…美咲は俺にとって大事な女の子だよ」




「…へ?」





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