声なし姫〜空に羽ばたく声〜
いつもは何も言わないのに今日はちがかった。
何か紙に書き始めたと思ったら、俺たちに見せて来た

『いちいち挨拶する必要ない。あと、その笑顔気色悪いからみせないで』

俺たちは一瞬固まった。見破れるのは太陽だけだと思ってたから。
その後すぐ遠崎は何処かへ行ってしまった。

ぽかんとしている俺たちをよそに太陽はゲラゲラ笑っていた。

「お前らバカだな!陽菜乃ーヒナノーは始めから気づいてたよ。」
「うそだー!だってあの子無愛想だし、入学してから一度も関わった事ないんだよ?!」
「たしかに、そうだね。」
「私も同感ね。」
「俺も明希と宇美と優希に賛成だな。どうせあいつも外見しかみてない」

俺たちが口々にいうと太陽はうーんと唸ると難しい顔しながら

「お前達がどう思うが勝手だけど、お前達こそ相手を外見や噂だけで判断してるんじゃねーの?」

そういうと、太陽は席を立ち何処かへ行ってしまった。

俺たちに深く刺さった言葉を残して・・・
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