暴走族に愛された不登校女子。
「うん…、分かった」
蒼太と静くんのほうを見ると、2人はもういなかった。
「2人は…?」
「あれ?」
小呉たちも気づかなかったらしい。
お礼を言いたかったのに、と思っていると2人が戻ってきた。
「これ」
蒼太が見せてくれたのは、花束だった。
「杏の父さんのところにも、今日行っちゃおうぜ」
「…そっか。今日って…」
「あぁ」
静くんが頷いて、あたしは思い出した。
今日は偶然にもお父さんの命日だった―…。