暴走族に愛された不登校女子。





「大丈夫! 俺に任せろよ!」



蒼太がそれからずっと家にいてくれた。蒼太のお母さんやお父さんも、ご飯を持って来てくれた。







「なぁ! 暗い顔してても、今は駄目だろ? 遊ぼうぜ!」



あの時、ずっと暗くて俯いたままだったらあたしは前になんて進めていなかった。


皆、あたしのためにしてくれていることに気付いて、それ以降泣かなくなった。




泣いてもいいことなんて1つもないって分かったから。





お父さんが亡くなったと電話で聞いても、涙が出てこなかった。





辛かった毎日から解放されて、幸せがこれからあるのだと思ったからだ。


蒼太とずっと遊んでいたけど、中学校に入っていじめにまた遭って。




静くんは中学校に入る前に転校してしまい、あたしは1人友達を失ってしまった。








「杏…俺が守るからな」



中学生になってから、蒼太に疑問を持っていた。どうして苛められているあたしなんかを守るのだろうかと。






< 64 / 304 >

この作品をシェア

pagetop