Dear…

 なんて優しい男の子なんだろうと一人で感動していたあたし。


 男の子は急に振り返って、こう言った。





 「俺の名前は、瀬戸。瀬戸涼太」




 「瀬戸、くん…」




 「わああっ」





 瀬戸くんが急に大きな声を出したので、あたしまでびっくりして固まった。


 すると、瀬戸くんは顔を真っ赤にしながらあたしをまじまじと見つめて。





 「手…繋ぐ必要は別に…ないよな」





 た、確かに!



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