冷酷男子の溺愛

・ また一枚壁がある




* * *


「────あ、」


翌朝。自分の部屋を出てリビングに向かうと、いつもと空気が違っていた。

ピリッとしていた空気感。
凍りついた、彼の表情。



「おはよう」

「…………ん」



顔を、あげない。

目線を、合わせない。

言葉が、出てこない。

会話が、続かない。





────ああ、そうか。


わたしが告白なんてしたから。

その後のことも何も考えずに、バカみたいに気持ちを吐き出したから、こうなったんだ。





本当に、浅はかで。情けなかった。


今さらだけど、自分の行動を、後悔してる。








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