冷酷男子の溺愛
5th: 溺愛

・ 不意に溢れ出る笑顔









「……知奈、いい加減、起きれば」



やけによく眠れたと思ったんだ。


普段だったら、夜中に2回くらいはトイレで起きるのに、なんかすごく寝れたと思ったんだ。


もうね、夢なんか見る暇もなくて、本当ぐっすりで。




……なんで、こんなにもぐっすり眠れたんだろう、そう思ったけど


目をこすりながら顔を上げると、その理由がはっきりとわかった。



「……本当、寝すぎ」

「……え、せ、瀬戸内くん?」



……ああ、そうか。瀬戸内くんがいたから。

安心して眠れたんだね。




って、え?ちょっと、待って。


思考停止。

だって今、わたし寝てたよね。

寝顔見たの?嘘でしょ?




「……」


久しぶりに見れた彼の笑顔と

寝顔を見られたのかもしれない恥ずかしさで……ドキっと、心臓が音をたてた。






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