お嬢様にはなりきれない!
1章

ある公園で

柚希side


「はぁぁぁ……。」


私は1人、公園のベンチに座ってため息をついた。


私は、橘柚希(たちばなゆずき)。

橘グループの一人娘だったりする。


今は習い事の帰り。

車で送り迎え、とか面倒だから断った。

……それに、

車だとこの公園に寄ることも出来なくなっちゃうし。



ヴァイオリン教室の近くにあるこの公園。

大きい公園じゃないから人も居なくて、街灯が少ないから星がよく見える。

夜風に吹かれながら星を見るなんて、ちょっとお洒落でしょ?

それに、星を見てると癒される……。


この時間だけは、日常生活のごたごたを忘れられるんだ。
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