お嬢様にはなりきれない!
「へ!?」

紅さんが驚きの声を上げた。

普段は紅さんの命令に従うけど、今回だけは従えない。

……紅さんだけに喧嘩させられないよ。


バキッ

グキッ

ドサッ

次々とそんな音が聞こえる。

10分もしないうちに片付いた。


「ふぅ………。」

血の海の前で、大きく息を吐いた。

……こんなに人を殴ったの久しぶり。

護身術の授業以来だよ……


「柚希ちゃん、お疲れ!とりあえず倉庫向かおっか。」

紅さんが苦笑しながら、バイクに乗る。

私はこくんと頷いて、紅さんの後ろに乗った。
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