前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
「でも、そんな強いレイジでも
大輔と本気でやりあったら無傷ってわけにはいかないだろうな…
昨日も口の中パックリいっちゃってたし
ただ、ここでひとつわかった事は
この俺たちですら、大輔を止めるのは
無理だ。止められるとしたらレイジしかいない。俺たちは無駄に多い虫除けに専念するようだな。あれくらいの強さなら
アイリでも大丈夫だろうけど。
無理はすんなよ?女の子なんだから!」


と、テッタくんは渋々納得していた


「ねぇ、アイリ?さっきおじいちゃんの所って言ってたじゃない?おじいちゃんが剣道の先生なの?」


「おじいちゃんの家が剣道の道場なの。
警察官とかにも教えてるんだよ?
しばらく竹刀振ってないからなまっちゃってるからね(笑)
ちなみに、亡くなったパパは元警察官だよ。警察官の剣道の大会では無敵と呼ばれてたんだから(笑)」


と、言って笑ったアイリ。


「ねぇ、アイリ…私もそこに
連れて行ってくれない??
実は私剣道は少しだけやった事があるの
レイジについて行って…
ただ、手を怪我してピアノの先生にすっごく怒られて1年くらいで辞めちゃったの。アイリみたいに強くなるのはすぐには無理だけど、なんかあった時にさっきのアイリみたいに近くにあるもので身を守れるようになりたいなと思って…」



「わかった…。私が教えてあげる!
てか、ミカの道着姿絶対萌える(笑)」


「確かに(笑)
ミカちゃん、あと10分で
昼休み入るけど??」


とケンゴくんが時計を見て言った。



「あっ!
私、田中さん連れて病院行ってくる!!
レイジにメールしておくけど
もし、学食かなんかで会ったら
上手いこと言っといてくれない?
1人で行動禁止令発動中なんだけど
あの足は放っておけないわ!
その後、直接家に帰るから
夕方また会おうね!(笑)
私は荷物を教室に取りに行くけど
みんなはどうする??」


と、立ち上がりコートを羽織りながら
聞くと


「俺らも戻るよ!」


と、ケンゴくんが言うと3人とも立ち上がって喫茶店を後にした。



そして、私は荷物を取ると田中さんを
迎えに情報処理科へ。


アイリ達は大学の門まで着いてきてくれたので、みんなを心配させないように
タクシーを呼んだ。


おんぶして歩けない距離では無いけどね


私の行動でみんなに心配をかけるのは
良くないからねっ!


そして、安藤総合病院へ行くと
今日は健夫くんは外来に出てきていたみたいだけど


健夫くんの専門は脳外科なので


整形外科の櫻井先生に見てもらった


健夫くんと天ちゃんの同級生らしく
私と天ちゃんの事を双子みたいに
似てるね!とビックリしていた。


全然似てないけどね(笑)
あんなに美人じゃありません(笑)


田中さんは櫻井先生の事を釘付けになるほど見つめていた。
爽やかで凄くかっこいい先生だからね!


そこへ、通りがかった健夫くんが
私を見つけると笑顔で近寄ってきて
健夫くんを間近で見た田中さんは
口をアワアワさせていた(笑)


もちろん、田中さんが私の顔に傷をつけた張本人とは口が裂けても言いません。
田中さんが言おうとしてるのを慌てて止めました(笑)


そして、正人くんが勤務外で病院に
いたから私と田中さんを車で送ってくれた。


レイジ、私は大丈夫だから心配しないでね!!
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