前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
ミカの教室について入り口の所から
除きこむと

ミカの周りを
アイリちゃんとその彼氏
そして案の定、中谷が取り囲んでた


「どれどれ?」

とライタが聞くと

「あの髪の短い方が
ミカ先輩…なっ?カワイイだろ?」

とコソコソと
トシヤがライタに教えている

「うわぁ〜
確かに!あれは上玉だ!
やべえ〜」

「だろ?
俺も彼女がいなかったら
持ってかれてた」


俺のミカだってのに
好き勝手に話す3人組


アイリちゃんが俺に気がついて
ミカの肩をツンツン突っついて
俺等を指差した

ミカの表情がおかしい…

朝はあんなんじゃなかったんだけどな

どっか痛いのか?

俺は探るようにミカを見ると
ほのかに顔が赤い

ミカは調子悪くても周囲に見せない

もちろんみんな全く気がついてない

中谷が俺を煽るようにミカの肩に
手を触れようとした


ふざけんなよっ!

ミカがあんな状態の時まで
テメェはなにやってんだよ!

俺は教室の入り口から


「ミカにさわるなっ!!」

と大声で怒鳴って
ミカの側に駆け寄った


あまりの勢いで怒鳴りつけたから
周りは唖然としてる。

3人組は目をまんまるにして驚いてるし

アイリちゃんとその彼氏、中谷までもが
ビックリして固まっている


そんな事もおかまいなしに
座ってるミカをそっと抱き寄せ


「ミカ…いつから調子悪い?」

と言って、ミカのおでこに手を当てると
ビックリするほど熱かった。

「…お昼くらい…から」

「んったく、俺に電話すれば
いいのに…」

「だって…電話したら
授業投げ出して…
すっ飛んできちゃうじゃない…」

とミカが優しく微笑んだ

「当たり前だろ!」

「ふふふ(笑)
やっぱ…レイジには
隠せないや……」

と言いながらミカは俺の腕の中で
気絶した。

こんな熱高ければそうなるわ

「ちょ!ミカ!!ミカ!!!」

アイリちゃんが状況を理解したようで

ミカのおでこに手を当てた

「なにこれっ?すごい熱じゃない!」

アイリちゃんはオロオロしてる

「ミカは昔からそういうの隠すんだよ
だから気にしないで?アイリちゃん」

と俺が声をかけると

「だってよ?アイリ。
俺も気がつかなかったし…
気がついたのは
このイケメンくんだけだ」

「でも、でも、ごめんね!
レイジくん。
なにもしてあげられなくて」


「いや、そんな事ないです。
ミカが学校が楽しいのは
アイリちゃんのおかげっていつも
言ってますから…
では俺はコイツ連れて帰ります」

と言ってミカを抱き上げて教室から出て行こうとすると

「お前ずりぃよ!
いつもいい所だけ持ってって。
そのナリで、そんな登場したら
どんな女だって落とせるって!
まだ気持ちを伝えてもいないのに
失恋決定じゃんか!
ミカちゃんに揺さぶりかけて
こっち向かそうと
思ってたのによー」

と中谷が言ったので

「初めに言ったじゃねぇか…
ミカは俺のもんだって。
誰にもあげませんよ?
もちろん、あんたにも絶対にね(笑)」

と振り返って言った

てか、ミカが聞いてたら


先輩に向かってそんな言い方!って
怒るだろうな

中谷はとりあえず
ミカのこと手を引いてくれるみたいだ




「てか、ギャラリー
はんぱじゃねぇな!(笑)
ミカちゃん気絶してて
案外良かったかもよ?(笑)
まぁ気をつけてな!」

とアイリちゃんの彼氏が言った


歩く足を止めず何気なく周りを見たら
たくさんの女からの熱い視線がっ!


キャー!

山田くん素敵〜!

かっこいいー!

イケメンすぎる!


そこへやっと助け舟?
お邪魔虫達が合流


「レイジ抱っこ変わろうか?」

「遠慮すんなよ〜」

「ふざけんなよっ!
そんな事よりこの人だかりを
なんとかしろよ!!」

「それはお前のせいだろ!」

「そうだそうだ
男の俺でもキュンとしたし!
ミカにさわるんじゃねぇ!!
なんてカッコいい〜 ヒュー」


「うるせーよ」

「それにしても美人だなぁ〜」

「いいなぁ レイジ」








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