夏目くんと恋愛中
なぜなら、私の身体がグッと誰かに後から引っ張られたから。
「好きじゃないなら、これ以上中村さんを悲しまるな」
怒りの篭ったような声だった。
「・・・小林くん」
「・・・・・ごめんね、中村さん。戻ろう?」
そして、グッと私の手を握り校舎の中へと歩きだした。
「小林くんっ!」
「ごめん。好きな子が悲しそうにしているなんて、俺は見てられないよ」
「ッ・・・」
小林くんの優しさが、身にしみる。
だけど、違うんだよ。
夏目くんは悪くないんだ。
悪いのは、それでも夏目くんを欲した私の欲なんだよ。
「・・・・・・その手離してくれない?」
そう聞こえたかと思った時には、小林くんに掴まれていた手は強引に離され、声の主の方へと引き寄せられた。
後から、包むようにぎゅっと強く抱きしめられる。