唯一の純愛
終わりの始まり
息子が児童相談所に連れて行かれ、私は鬱病を発症。
この時期の妻の負担は、並々ならぬものだったことでしょう。

それでも妻は、嫌な顔一つせず、私を支え続けてくれました。

自分も辛いはずなのに、献身的に私に寄り添ってくれました。

泣いたり、怒鳴ったり、不安定な私を優しく抱きしめてくれました。

妻のおかげで、私も少しずつ外出出来るようになり、深夜の散歩を始めました。

最初は30分くらいの距離。
次第に1時間、2時間と、少しずつ歩く距離を伸ばしていきました。

雨の日も、風の日も、体調を崩さない限り、毎日続けました。

散歩中はテレビもパソコンもありません。
完全に二人だけの時間でした。

家にいる時よりも、お互いの話に集中できます。

色んな話をさしました。

お互いの過去、これからの事、子供の事、他愛のない夢。
三ヶ月ほどの期間でしたが、これまでの5年間でも、特別濃い時間だったと思います。

月蝕も見ました。
流星群も見ました。
迷子にもなりました。
謎の飛行物体も見ました。

そして、手を繋いで歩きました。

妻も私も、毎日楽しみにしていました。

健康のためにも、毎日歩いて長生きしよう。
そう話しながら歩きました。
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