漆黒の
タイトル未編集
彼らは小さな酒場いた

1人は金色の髪を持つ少年
年齢は18または20歳ぐらいだろうか

もう1人は長身に珍しいメガネをかけたきっと先程の青年よりも少しばかり年上の男性

そしてもう1人は栗色の無邪気な髪が似合う緑色の大きな瞳の少年だった

「それじゃあシノァが出会った人ってのは、その漆黒の髪の人だったんだね。」

「出会ったと言うわけでもないさ
もう忘れたことだけれども」

その酒場には人が溢れ、彼らはその人々の間に隠れるように座っている

茶色の髪の少年はリックスといった。
シノァ近づきくりくりした瞳でまだまだ色々と興味があるのか彼に歩み寄る

「だってシノァをその体にしたのは、その漆黒の人なんだろう。
どうして忘れられるのさ」

シノァと呼ばれた金色の髪の青年はつまらなそうに
「だって仕方ないだろ」
とポツリと呟き目の前の血液のように赤いワイングラスを手に取った


「まあまあそんなつまらない話はやめて今日はもっともっと楽しい政治の話をしようじゃないか」

「えーやだよ」

リックスはメガネの青年の提案にとても苦々しい顔をした

だって彼ときたらいつも金色の本持ち出し皆の前でめんどくさい政治の話そして、騎士道とは何とやらをくどくどと解き始めるのだもの

「いやいやこれはきっと今から大切な話になるだろう
聞いておいたほうが得なんだと思うんだけどなぁ」

リックスの想像通り、彼はまた黒縁メガネに軽く触れて、金色の竜でかたどった紋章が表紙を飾る、騎士道とはなんちゃらなんて書いてある本を出し、一つ一つペラペラと大切そうにめくり始めた

「もうウォーゼン。
今日はいいよー」

リックスはまいったようにつぶやくと、シノァの方を向き、肩を困ったようにあげた



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