らぶ♂ちょい
気分転換のオモチャ


「コトリちゃん、おはよう!」


肩に軽くボディタッチされて。

反射的に振り返ると、肩に載せられたままの指が、私の右頬を突き刺した。


「…………」


毎朝の光景なのに。

何度も同じ手に引っ掛かってしまう私って、一体……。


「もう! 西野(ニシノ)さん! 私の名前は、『小鳥遊』と書いて『タカナシ』と読むんです! コトリじゃありません! 何度言ったら分かってもらえるんですか!?」

「え? 何? よく聞こえないんだけどー?」


私をコトリ呼ばわりした西野さんは、耳に手を当てて、意地悪な笑みを浮かべて歩き出した。


こんなによく通る美声が聞こえないんだなんて!


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