君の声が聞きたい



「私、見ての通りこんな状態なんだから、ちょっと心細いんだよね、こんなこと頼むのもどうかと思ったんだけどね……わ、私が眠るまで手を握ってもらってていい?」


その人は、

いいよ、とも嫌だとも言わずにただ静かに私の左手を優しくそして、
ここにいるよって教えてくれてるように暖かく包んでくれた。


私はその心地よさにすぐに眠りに入った……






本当はね、
いつもだったら誰にもこんなこと頼ったりしないんだよ…

なぜかこの時は、素直に言えたんだ…

あなたが出す音に、安心したからなんだと思う…


あなたが出すものは全てに安心してしまう、

だから、頼ってしまうんだ…





言い訳だよね………ごめんね




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