【完結】クリスマスのプレゼント


ちょうど2年前のクリスマス・イブに


私は、『婚約者』だったはずの彼に別れを告げられた。


彼はもう、新しい女を連れていた。

意味が分からない。どうして、私はこんな目に遭わないといけないのか。


私は、特別冷めていたという訳でも無い。

ただ…仕事があまり片付かなくて彼との時間が作れなかっただけ。

…まぁその結果こうなった訳だが。


でも、彼が別れを告げた時少し。

ほんの少し。辛かった。

私って本気だったんだな、ってその時やっと。

気づくことができたけど、もう遅かった。


どうしてちゃんと時間をつくらなかったのだろう、

と後悔しても後の祭り。


だから、せめて私は。


笑顔で送り出してあげたいと思った。

涙を必死で抑えて笑えているかわからないけど無理矢理つくった。

『今までありがとう、楽しかったよ。

……………お幸せに。ごめんね。』


急いで来た道を戻る。

涙が溢れて溢れて止まる事を知らない。

私は、この時思った。誓った。


絶対に幸せにならない。もう誰とも付き合わない___と。


< 2 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop