【完結】クリスマスのプレゼント


どこだ?やっぱり闇雲に探すなんて無理だったか…。


『!!』

いた!

『課長!』

大声で叫ぶ。周りの目なんて気にしない。


驚いた顔の課長はどこか泣きそうな顔だった。

「どーしたの?」

もう時間が無い。ハッキリ言わないと。


『俺、課長の事好きです。なんで…なんで泣きそうな顔してるんですか…?』


「え…っ…?……


…ごめんね、私付き合えないよ。」


『……』

「気持ちは嬉しいよ?でも…ごめんね
さよなら…」 

悲しげに笑うその顔から目が離せなかった。


金縛りのように動けなくなった体をよそに、課長は踵を返して歩き出す。

『待って!!』

ピタリと動きを止めた課長。

それでも顔は向けない。それならこっちは…

『じゃあ…なんでそんな顔してんすか?
俺に言えない過去とか…あるんっすか?
もしかしてそれ…引きずって今も恋愛できないとか…?
うっわー、それどーな_』


「やめて…もうやめてよ…!」

課長は泣いていた。

そりゃそうだ。立て続けに酷い事を言ったんだから。

でも、反撃してくれなきゃこっちが動けない。

俺は一気に課長との距離を詰めた。

< 8 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop