性別を間違えた彼女

彼はスゴくまめだった。

仲良くなってからは毎日lineをしてくるようになり、僕は彼を弟として扱った。
周りからも兄弟だと認定されていた。

僕は彼の事をゆうと呼ぶような仲になった。


その時僕は可愛い弟だとしか思っていなかった。

その時までは...



一緒に帰っていたある日、ゆうは自分の事を話してくれた。

最初に言われた一言は

「俺、実は男が好きなんです。」

だった。


「性同一性障害って知ってますか?」

その後はゆうの話をただ黙って聞くだけしか出来なかった。


ゆうは小さい頃から恋愛対象が男で自分が男に生まれてきた事を認められずにいたそうだ。

心は女、体は男、そんな複雑なままここまで来たそうだ。


今はクラスの中に彼氏もいるらしい。


「俺、神様の失敗作なんです。」

ゆうのその一言が忘れられない。
生まれてくるのに失敗なんてあるのか?

そんな事を思っていたが本当にそうらしい。


失敗作...頭のなかでそれだけがぐるぐると回った。

僕は特に偏見も無かったのでその時はゆうがなぜ僕にその話をしたのか...わからないでいた。

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