恋の味【更新中】

「あっ、ごめんなさい」

「あ、いえこちらこそ」


美春とふざけていたせいか、周りをよく見ていなかった。

そして、誰かの肩にぶつかったのだ。

目が合った。

黒髪の、ネックレスを首から下げた、背の高い男の人。


キラリとネックレスが揺れた。

シンプルな、地球のような模様の水晶だった。


同い年くらいかな。


彼に背を向け、再び家に帰るべく歩き出す。


そういえば、少しだけ目を見開いていたような気がした。

< 75 / 126 >

この作品をシェア

pagetop