こうべ物語



「お姉さん、もし良かったら、私、一緒にお風呂ついて行ってもいいですかぁ?」



無邪気な笑顔を見せる。


その笑顔が麻里奈にはとても嬉しく思えた。



「うんうん、いいよ。ここで会ったのも何かの縁だよね。」



「そうですね。」



そのまま、目の前にいる制服の女性をチラリと見つめる。



「でも、2人より、3人の方がもっと楽しいなぁ~。」



「あ、え…。」



制服の女性は、ただただ戸惑っている。



「ねぇ、一緒に行きましょうよ!」



色黒の女性が今度は強引に制服の女性の腕を引っ張る。


その力に流されて、ようやく制服の女性もその場から動き出した。



「じゃあ、3人でお風呂に行こう!すみません、この近くに温泉ありますか?」



「温泉?」



色黒の女性が不思議がる中、麻里奈は平然と傍にいる参拝客に温泉の場所を尋ねた。




《さくら×涼子×麻里奈① 終わり》


< 55 / 202 >

この作品をシェア

pagetop