沖田総司と運命の駄犬



梓「んもぉっ!もっと、食べたかったのにっ!・・・あ!そうだ!」




私は、ニヤリと黒い笑みを浮かべた。



私は、大部屋の前を通る。




中から、近藤さんや土方さんの声がする。




よし!しばらくは、帰ってこない。





私は、沖田先輩の部屋に入った。




そして、沖田先輩の荷物が置いてある棚の中に・・・。





梓「あった!ふふっ・・・ふふふふふふ・・・。」




そう、沖田先輩のおやつが入っていたのだ。





梓「食べ物の恨みは、食べ物で晴らす!」





パクッ。





一口で食べた。




梓「んー!美味しいっ!何これ!沖田先輩、こんなの隠し持ってたんだ!」





私は、夢中で食べた。




梓「あ・・・。夢中で食べたてたら、全部、食べちゃった・・・。まぁ、仕返しだし、いっか・・・。」





私は、部屋を出た。





すると、部屋の前で、沖田先輩に出くわした。




梓「っ!あ・・・。」




沖田「どうしたの?何か、動揺してない?」




マズい・・・。





梓「いえ!何も!」





沖田「ふーん・・・。何か怪しいね・・・。」




訝しげに、私を見つめる沖田先輩・・・。





梓「では、私は、これで!」




私は、サッと、その場を離れようとすると・・・。





パシッ。




梓「ウゲッ!」





首根っこを掴まれた。





沖田「ちょっと来なよ!」





梓「あ!いや!私・・・。」





部屋の中に放り投げられた。




梓「キャッ。」




沖田「何したの?」




黒い笑みを浮かべて、言い寄られる。




刀に手を置いて・・・。





ゴクッ。




唾を飲んだけど、唾は出ず、喉が鳴っただけだった。





何だろう。これ・・・。




いつもの沖田先輩じゃなくて・・・。




怖い・・・。




沖田「もう一度、聞くね?何したの?」




声は優しい。でも、目は冷たい。




梓「あ・・・あ・・・。」



声が出ない。



すると、沖田先輩が、“異変”に気付いてしまった。
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