沖田総司と運命の駄犬




とにかく、色々とやらせてみた。




沖田「水、汲んで来て?」





梓「これは、どうすれば・・・?」




井戸の使い方か・・・。



僕は、丁寧に教える。




梓「う゛・・・。重い・・・。」





桶に、入れ替えて、持たせるも・・・。




梓「ウワッ!」




バッシャーン。




沖田「もう一回、汲んで来て!」





水を汲みにいかせるも・・・。





沖田「何これ?」




桶から、水がこぼれ落ち、殆ど桶に、残っていない。




沖田「はぁ・・・。これ、水を汲むって言わないよね?」




梓「はい・・・。」




沖田「じゃあ、火を起こして?って、わからないか?」




梓「はい。」




僕は、火を起こすところを見せる。




梓「あ!これ、テレビで見たことある!」



何か、聞き慣れない言葉だったけど、未来の物なんだろう・・・。




沖田「はい!やってみて?」



梓「はい!」




なかなか点かず、やっと、点いたと思ったら・・・。




梓「ゲホッ。ゲホッ。ゲホッ。」



思いっきり、息を吸い込んで、煙を吸っている。




咳込んでいる間に、火は消えた。




梓「あぁぁ!」




沖田「元々、起こした火が、弱い上、空気を入れないと消えるのは当たり前。」




梓「う゛ぅ・・・。」




未来のおなごは、本当に何にも出来ないんだな。



というか、未来のおなごじゃなくて、“梓が”かもしれないけど・・・。





料理くらいは、出来るでしょ!




包丁を渡すが・・・。




沖田「ちょっ、ちょっと!そこ、そのままいくと指、切るって!危ない!危ない!」





包丁は、梓は、持ってはダメだ。





洗濯なら、ゴシゴシするだけだし、いけるだろ。





僕は、まず、手本を見せる。






梓「よしっ!これならいけそうです!」




ゴシッ。ガシッ。



「沖田助勤、ちょっと、いいですか?」




僕が、今日の稽古の内容を書いた紙を、確認するため、隊の子から受け取り、指示をしている間、梓から目を離す。




ゴシゴシと音がしている。




「ありがとうございます!」



沖田「うん。頑張って!」




ゴシッ。ガシッ。ビリッ・・・。



え・・・?




沖田「今の音って・・・。」



梓「う゛ぅ・・・。破れました・・・。」



沖田「はぁ・・・。」




梓を、部屋で休憩させて、僕は、稽古に行く。

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