沖田総司と運命の駄犬




私達は、部屋に入った。




すると、沖田先輩は、ゴロンと寝転がった。




沖田「お茶!」




梓「は?」




沖田「お茶と団子買ってきて?それまでに、着替える。よだれで気持ち悪いし。」





梓「はい。」




私は、お金を受け取ると、いつもの団子を買った。





何か、気になる。





そう・・・・。




沖田先輩の匂い。




臭かった。



なんて言うか、汗とかじゃなくて、あれは、きっと血の臭い。




なんで、沖田先輩から血の臭いがしたのかな?




それに、芹沢さんって人が、殺されて・・・。



沖田先輩は、怪我してて・・・。





私の中で、点と点が、結びつこうとしている。




梓「嘘だよ・・・。だって、沖田先輩の上の人で、同じ隊の人で・・・。」





でも、ここには、厳しい法度という物がある。




粛清したのかな・・・。




身内で、殺し合ったりしてるの?





町では、ヒソヒソと噂が流れていた。





新選組が、内輪で揉めて、隊長を斬った。




やっぱり、人斬り集団だと・・・。





私の心は、どんよりだ。





この時代、人を斬っても、何も無いのだろうか・・・。





前に聞いたら、現代の捜査には比べものにならないくらい緩い。





沖田先輩は、芹沢さんを斬ったのだろうか・・・。




もし、“何者”というのが、新選組の仕業なら、きっと、昨日の夜に出て行ったあの4人だ。




しかも、血の臭いがしてたし。




でも、どうして、芹沢さんを殺さなければならなかったのかな。





芹沢さんの噂は悪いものばかり耳に入っていたが、殺さなくてはいけなかったのかな・・・。





何よりも、沖田先輩には、人を斬って欲しくない。




そう、思ってしまうのは、わがままかな。




私は、重い足取りで、屯所に戻った。




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