沖田総司と運命の駄犬




部屋に戻ると、梓が、永倉さんの膝枕で寝ていた。





沖田「はぁ・・・優しくされたら、誰彼構わず懐くの止めなよね?」




僕は、梓の前に、しゃがんで、梓の頬を軽くつねる。




沖田「永倉さん、ありがとうございました。」




永倉「いや、お前も、おなごに対して、そんな顔するようになったんだな。」




沖田「は?」




永倉「いや、良いもん見せて貰った。」




永倉さんは、梓を僕の膝に運ぶ。




永倉「お前が、“犬”って可愛がる理由が、少しわかった。まぁ、大事にしてやれよ?あ・・・。あと、騙して、酒飲ませたから、起きないと思うわ。」




沖田「意味が、わかりません!しかも、酒って・・・。」




永倉さんは、ハハハと笑い部屋を出ていった。





部屋には、僕達二人だけ・・・。




僕は、梓の顔を覗き込む。




沖田「あんな色っぽい顔を見せておいて、急いで帰ってきたら、こんな安心したような顔で寝ちゃってさ。しかも、永倉さんの膝で寝てるとか・・・。」





僕は、体勢を変えて、梓を抱きしめた。





至近距離で、梓の寝顔を見ると、口付けをしたくなった。





今宵の僕は、色々ありすぎて、混乱してるんだ・・・。






僕は、梓の唇に自分の唇を重ねた。





沖田「っ!・・・傷が痛い・・・。」




それからも、僕は、何度か、唇を重ねた。






沖田「何やってんだろ?僕・・・。本当におかしい・・・。暗殺の後だから、気持ちが高ぶってるんだ。きっと・・・。」





それから、梓を膝枕して、眠る梓の顔をずっと眺めていた。




< 72 / 222 >

この作品をシェア

pagetop