素顔のキスは残業後に【番外編】第2話完結
それから部長との電話を終えた柏原さんの部屋を掃除し、彼のお手製の年越しそばを頂いて紅白を見ていたら、今年も残すところ『後30分』な時間になっていた。


「行きたいところがある」

数分前にそう告げた彼の運転で、車は勾配の急な坂道を駆け上がっていく。
生ぬるいエアコンの温風が足元を温めてくれる車内で、隣にある横顔をそっと見つめた。


彼女を大切にしろって部長は言ってたけど。
大切にされてるよね。本当に、そう思う。

柏原さんと付き合うようになって、その噂はあっという間に社内に広がった。

年末の忙しさもあると思うのに他部署の女子が連日総務部を訪れて、中には私に鋭い睨みを利かせる子も何人かいたけど。
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