最初で最後の、恋だった。
第2章

★幸せの昼休み







☆☆☆



「「キャアアアアアッ」」



いつも通り、女子の黄色い声を聞きながら、木の影から先輩を見守る。

相変わらず…かっこいいわ。



先輩をチャイムが鳴るまで見守り、あたしは教室へ戻る。

授業中、先生の話も聞かず、あたしは生徒手帳に挟んでいる紙を取り出した。

そしてバレないよう見て、机に突っ伏し、隠れて微笑む。

誰かに見られていて「キモい」だの言われても困るから。

突っ伏したなら、誰にも見えないから。




でも、どうしてこの手紙が…。

挟んだのは、間違いなく先輩だ。

先輩とあたし以外、生徒手帳を持たないから。



この手紙の内容…本当かな?

嘘だったら…どうしよう?

先輩実は遊びで女の子と付き合うことが多くて…。



駄目、そんな妄想しちゃ。

先輩は確かに女の子に優しいけど、特定の彼女がいるなんて情報はない。

休み時間は大体、どこの女子グループも、先輩の話をしているから。

彼女がいるなんて噂、瞬く間に広がって、あたしが知らないことなんてないはずだ。

だから先輩には…彼女はいないはず。



…先輩を信じて、行ってみよう。







< 19 / 157 >

この作品をシェア

pagetop