これが私の世界なんです
世界がこんなにも狭いんだ

わたし

けっこう名の知れた街だ。朝はあちらこちらからアラームの音が鳴り止まない。昼には百貨店に人が戯れ、戦争が起きそうだ。夜には繁華街に人が溢れ騒がしい。そんな場所に家を構えてしまっていたのだ。こんなにも騒がしい世界。どう相手をしたらいいのだ。どう向き合えというのだ。私は小学生だ。そんな解決方法分かるわけないだろ。馬鹿馬鹿しい。こんなことを考えてたらお馬鹿になるよ。と、いつも自分に言い聞かせる。いつものことです。


父は会社の社長さんだ。母は父の秘書をしている。都市が離れた兄は父の会社に普通に入り、普通に働き、普通に課長になり、普通に副会長になっている。3ヶ月間のことだ。こんな馬鹿な話あるわけない。いや、本気でそう思いたい。一番つらいのは、そんな馬鹿なことを普通にしてるのは、私の家族。と、いうことだ。こんなに恥ずかしいことないのでは?と心の奥底からまじめに笑っていた。ほんと、馬鹿な話ですこと。


私が通っていた幼稚園。本があった。以上。え?本だけ?はぁ?はぁ・・・。
小学校へ行くとなったとき、私は悩みました。幼稚園があれなんだから小学校なんて...考えてみただけで相当な吐き気がした。結局、お嬢様学校に入れられ、友達を作るわけもなく、先生を敬うこともなく、机を前に座り、ただただ黒板と本を見上げていた。つまらないこと限りなし。


高い服を着て何がいいのか。広すぎる家を持って何がいいのか。何が、社長だ。何が、秘書だ。何が、何が、何が、何が、そんなに欲しいというのか。私はわからない。小学生のことだ。これはあくまで、小学生の考えだ。まだ幼い脳みそがこの世界に不満をもっているのだ。




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