キスをお先に、頂きました
「…そういえば、今日ってクリスマスだったね」
お母さんの言葉に、ドキリとする。
「そ、そうだね」
「ごめんね。なにも用意してなかった。
帰りに、なにかケーキ買ってくるわね」
「うん…ありがとう」
本当に一人ぼっちのクリスマスみたいだ。
寂しいとは、思っちゃダメだ。
お母さんもお父さんも、頑張ってるんだから。
「じゃあ、行ってくるね」
「いってらっしゃい。頑張ってね」
扉がバタン、と閉まるのを確認して、私は鍵をかけた。
家の中はしんとなった。