キスをお先に、頂きました
「……だから、朱加のこと好きなのに本当にヘタレで。
朱加と付き合ってから、なにもできなかったよ。
あん時初めて、朱加の気持ち知って……俺それまで、本当になにもできなかった」
うそ……。
じゃあ私は、
遥葵と、両思いだったの…?
「朱加の名前を呼ぶのも……恥ずかしかった。
朱加の気持ち、本当にわかんなかくて。
だから、手つなぐのも…抱きしめるのも、ダメかと思った」
「……っ」
遥葵の手が私の腕をつたり、私の手を握る。
その手はとても――冷たく冷えていた。
どれだけ外にいたんだろう。