カルネージ!【完】
「……なんで勝手にリュックの中見たの?」
「え?」
顔を上げないまま、必死に言い訳を探す。
何でって……? 何で、え、だって本当の理由とか言えなくないか?
あんな心のこもった本命チョコを手にしている同級生に、ただの友達の私が、こんなしょっぼいものあげる資格ないんじゃないの?
手作りなんて不器用だから作れないしラッピングだって私自身は1ミクロンも手を加えず、お店でやってもらっただけのものをそのまま持ってきただけだし。
……まあ、それなりに値段はしたけれども。
それに、もしあれをくれた子と阿久津が付き合っているなら、私があげるのも迷惑で、断られるかもしれない。
「なんで?」
もう一度静かに訊く青年が不気味で、逆に怖くて、冷や汗が首筋をつたった。
「……阿久津の、……リュックの中身が気になって……。まさかチョコがあるなんて思っていませんでした」
「キモッ」
いや、まさにその通りで。リュックの中身が気になったってなんだよ私、アホか。死ね! 自分死ね!