偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
「貴方は単に彩名に似た奈那子さんをそばに置きたいだけでしょ?」

母さんに鋭い所を突かれた父さんは項垂れてしまった。

「彩名は彩名。奈那子さんは奈那子さんですよ」

「彩名さんの肖像画ってどこにあるんですか?」

「あ…父さんの書斎だ」

「書斎ですか・・・」

「見たいか?」

「はい。どれぐらい似ているか?自分で確かめたいです」

「父さん…いい?」

「ん、あ…余り…綺麗ではないが・・・」

「絵を観るだけだ。散らかっていてもいいよなぁ?奈那子」

「それは・・・その・・・」

「少し…片づけて来るから…待ちなさい!」

父さんは腰を上げて書斎の片付けに向かってしまった。

そんな様子を見て微笑む母さん。

「何がおかしいの?母さん」

「別に…コーヒーのおかわりどう?稜真」

「あ…頂くよ」

俺は空のカップを母さんに渡した。





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