偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
「部屋まで送ってやるよ」

柾貴が俺のブリーフケースを持ち、先にエントランスを潜った。
俺の柾貴の後を追いかけて行く。

「濱部様」

常勤しているコンシェルジュが俺を呼び止めた。


「クリーニングが仕上がっております。どうぞ」

「クリーニング?あ・・・ありがとうございます」

俺はコンシェルジュから仕上がったクリーニングを受け取った。


「何だろう?マフラーのようだな・・・」
俺のモノじゃない・・・
マフラーの色目はダークブラウンで渋め。
奈那子が巻くにはサイズも大きい。

「これって男物??でも、俺のじゃない・・・」

「あ…このマフラーは柚希さんのマフラーですよ」

柾貴が唇の端を上げて不敵に呟く。


「何で!!?柚希さんのマフラーを奈那子が持ってんだ?」
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