君にKiss 【短編】
5. 再会〜君にKiss〜
あれから半年が過ぎた。

私の生活は元に戻っていた。

いつもと同じ道。
いつもと同じ町並み。
いつもと同じ私……。

光輝と一緒にいた頃は
全く違って見えたのに……。


私には夢のような3ヶ月だった。きっともうあんな経験は
出来ないだろう。

それでも……
私はまた
このつまらない毎日から
私を連れ出してくれる人を
待っていた。


『ただいまぁ…』


誰もいない部屋。
なんだか癖になって
光輝がいなくなった後も
何となく言っている。


すると……


「おかえり。」


奥から声が聞こえた。
それはとてもなつかしくて
とても聞きたかった声。


私は慌てて靴を脱ぎ捨て
部屋に飛び込んだ。


そこには
スーツに見を包んだ光輝が
私を真っ直ぐ見つめ立っていた。


       *
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