君にKiss 【短編】

『大丈夫ですか…』

私は彼に傘をさし話しかけた。

雨の音が大きくて
私の声は彼に届いてるのか
わからない。

私は彼の手を取り
その手に傘を握らせる。

そこでやっと
彼は私に気づいた。


『あの、私家すぐそこなんで
傘使って下さい。』


びしょ濡れの彼に
今更傘を貸したとこで
無駄な気はするけど…。

彼は私の顔を
じっと見つめている。

そして何か言いかけたとこで
そのまま私の方へ倒れ込んだ。


       *
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