姉 ときどき 弟
おねえちやん
青空だ。

どこまで行っても、青空だ。

こんな日は昼寝なんかしたい。

「そんな君にはこれだよこれ、わかるまいよ弟よ」

「わかるよ姉よ」

家の前でちくわぶを持ってドヤ顔をする女がいたら正直引く。

立場的に弟という称号を持つ自分は、今年17歳になる性別上男の子だ。

そんな男の子な弟の理想的な姉というのは、優しいお姉さんである。

もう贅沢は言わない、優しい普通の姉が良い。

「この魔剣を見て気付く事はないのかい弟君よ」

「練り物だな」

「すばらしい、つまりおでんだ!」

「いや分からない」

優しいかどうかは保留にして、普通かどうかが重要だ。

世間一般的な姉は、ちくわぶを持って家の前でドヤ顔するかどうか、それを考えてみれば分かる。

「青空にはおでん、あ、ちなみに具は卵さえあれば私は幸せです(o>ω<o)」

ならなんでちくわぶなんだよ…
よく分からないが涙が流れてきた。


そうだ、俺の姉は
家の前でちくわぶ持ってドヤ顔をする姉だ。

くそ、涙が止まらねえよ…
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop