騎士と夢巫女





「普通科の生徒やこの学校に勤めている教員全員。ヴァンパイアが存在していることを知らないんだ」





『知ってしまえばパニックになるでしょうね』





伝説の中でのみ生きていると思っていた存在が、自分と同じ学校にいる。まぁ普通の人なら吃驚するだろう。





「そう。でもね、特別科の彼らはみんな綺麗な顔をしているから、普通科の生徒が夜に校舎に潜り込んだりするんだよ」





無知な者は時として恐ろしい存在だ。




綺麗な人たちがいれば、みんな悪いことだと分かっていても見に行ってしまう。





理解できないことではない。しかし、げっそりとする理事長や椛霧を見て、由乃は苦笑いを浮かべるしかなかった。





『警備と言うことは、校内の巡回とかですか??』





理事長はそうだよ、と頷いた。





< 47 / 57 >

この作品をシェア

pagetop