きっと、君を離さない
あの日からもう2年が過ぎた。
私も高校3年になった。
それだけ時間が経っても、私の心は癒えることなんてなかった。
健太のことを忘れたことなんてなかった。
逃げ出したくて飛び出した施設。
それでも、忘れることはできなかった。
私はひとりじゃない。
健太はここにいる。
健太がいてくれたらいい。
だって、健太はこれ以上いなくならない。
私を裏切ることも、私から消えてなくなることもないんだ。
そう気づいたとき、少しだけ心が軽くなった気がした。