きっと、君を離さない
やっぱり、学校も休んでるのか。
学校も休んで、家にもいない。
彼女が行く場所なんて、どこにあるんだろう。
俺は、彼女のなにも知らないのだと気付かされた。
「・・・悠ちゃん・・・?」
聞き覚えのある声。
俺は振り向くと、ここにいるはずのない彼女の姿を見つけた。
「菜緒・・・?」
なんで、君がここに。
こんなところ、家も近くないし大学だって。
それなのに、なんでここに。
「なんで」
「・・・彼女に謝りたくて」
菜緒が指す“彼女”が春香ちゃんだってことはすぐに分かった。