きっと、君を離さない
「退院おめでとう。もう戻ってきちゃあだめよ」
入院中とても優しくしてくれた看護士さんに見送られ、私は無事退院の日を迎えた。
少ない荷物を持ち、病院を後にする。
病院を出てすぐのところに立っていたのは・・・。
「悠斗・・・」
「おかえり」
いつもの笑顔を浮かべた悠斗が待っていた。
あの時目を覚ました時の悠斗は、泣いてた。
だから、笑ってる悠斗を見ると、少しホッとする自分がいた。
「そういえば、退院が何時かって聞いてなかったなと思って。会えてよかった」
「別に、来なくてもよかったのに」
「なに言ってんだよ。俺の時だって、春香来てくれたじゃん」
「あれは、私のせいだから・・・」
だから、悠斗がそんな事気にしなくてもよかったのに。
「はい。退院おめでとう」
悠斗がそう言って取り出したのは、小さな花束。
可愛らしいお花で作られた花束だった。
「こんなの、受け取れないよ。私、自業自得で入院してたんだから」
「そんな事言わないで受け取ってよ。返されても、俺困るし」