きっと、君を離さない



「春ちゃん、大丈夫かい!?」




常連さんが心配して声をかけてくれる。
私に伸ばされた手。




その手が、一瞬昔の父の手に見えた。







「いや・・・っ!・・・来ないでっ!」

「は、春ちゃん?どうしたんだ?」






心配してくれる声は、私には届かなくて。







ガシャーン!!!





グラスを床に落とし割れる。







「嫌あああああっ!」







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