きっと、君を離さない
少しだけ、わかりあえた気がした。
彼氏彼女という関係になってもなんとなく感じていた距離。
それが少しだけ縮まった気がしたんだ。
ピンポーン。
静かな部屋に、鳴り響くチャイムの音。
すっかり、外は明るくなっていて、話しているうちに朝になっていたことに気づく。
それにしても、まだ7時過ぎ。
こんな時間に訪問者なんていったい・・・。
二人で玄関を見つめる。
その時二回目のチャイムが鳴った。
「私、出てくる・・・」
「ああ、じゃあ、俺朝ご飯の用意する」
「ありがとう」
すっかり途中やめになってしまった。
俺と春香は立ち上がり、それぞれの方向へ歩いていく。
穏やかに見える春香に少しホッとする。