虹色の騎士団
「はーい、お水だよー」

朝と同じエプロンを着けた未来が、

冷えたミネラルウォーターのボトルを手渡してくれる。


「あ、サンキュー。」

「どーいたしましてー♪」

台所に戻って行く
未来の背中を見送りながら、

ボトルの口を開けて一口飲む。

しかし…。

あれだけ走ったのに汗をかいた様子もなく、
息の乱れ一つなく…。

…まだまだ未来は全力じゃなかったって事か…。


その上、
米やら野菜やらを含む、
重たい大きな買い物袋2つを『ひょいっ!』っと持ち上げ…。


運ぶのオレが手伝おうとしたら、袋を片手に軽々持ち変え、空いた右手を
差し出してきて、

『じゃー、ぼくの手、
持ってくれるー?』

……鍛えられたとは言ってたし、
意外と筋肉ついた体してた訳だけど…。


あの体力と力が出るよーには
流石に見えないんだけどなー…。

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