虹色の騎士団
「もう1つ、皆に話さなきゃならない事があるの…。」
テーブルに乗せた小さな両手を固く握りしめながら、
ヒナタは顔を上げ、
僕とカナタに視線を合わせる。
「舞乙女が使える力の中にね、
異なる世界への道を開く歌
ってのが、あるの。
それは、
秘密の歌だったし、
私自身、
この世界以外の所に行かなきゃならない事が起こるなんて…
思ってもみなかったし………」
ヒナタの告白を聞き、
僕は自然と、
勢いよく椅子から立ち上がってしまう。
「そうか…!
舞乙女に、そんな力があったと言う事は……」
「同じような前例が、
過去にも存在した…
と言う事か………。
全く……
『守護の力』も手間をかけさせるものだな…」
僕の言葉を、
引き継いで
カナタが呆れたように付け足す。